人類は衰退しました 9巻 シリーズ完結後の考察
一度読んだだけでは理解できず,何度か読み直しなんとなく理解できたのでまとめておく.
田中ロミオのライトノベルだけあって,やっぱりロジカルに作られている印象だった.
最後にネタばらしっていうかしっかりと謎に対しての解答を用意してくる当たり,素晴らしい
以下ネタバレだらけなので未読の方は注意.
- 作者: 田中ロミオ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/06/18
- メディア: 文庫
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人類は衰退しました = わたし以下その他登場人物(助手さん以外)は人類ではない
人類
大断絶を経て衰退
衰退の原因は冷たい世界,月・太陽系への進出において大きな壁に遭遇したため?
> 祖父「彼は魔法が使えない.この地球上でただ一人のな,本来憧れられる対象である…」
助手さんは現存する唯一の人類の生き残りだと考えられる
妖精
わたし以下その他登場人物(助手さん以外)
名前がないのもそのためかも
祖父の手紙の「我々」は妖精のこと
正体
> もともとは純粋な力だけの存在 > 人間のような体を持って生きる種族を羨んだ > そして模倣 > 祖父「沢山の別世界があったとして,光があるのはここだけなのだ…」 > 地球は魔法でいっぱい > 人間に対する愛のまなざしでいっぱい > 世界は観客席のようなもの.観客はみな羨む,スポットライトの直下 > 観察対象は人類…というか,おそらく,心. > 光ある世界って,心ある世界とたぶん同義.
様々な並行世界を観察することができる純粋な力だけの存在
光ある庭 = 心ある世界 への憧れが大きい
よって人類と接触し[ref 鉄道旅行 少女との出会い,王様との出会い],人類について学び,人類の模倣を始める.
その後,人類が衰退をしていく中で,人類への模倣が急速に発達し大量に繁殖し,ついには人類に取って変わるようになった.
妖精の能力
人類は持たない「命の定義を広げる力」を持つ
これが魔法である
魔法
> 極めて特殊な相互作用…魔法を定義するとしたらこうなるだろう > あまりにも万能な力だが,人の心にはとてもおさまりきらん.人であろうとする限り,外に漏れてしまう.
“考えるもの” 古い機械,ネットワーク,動物や虫,稲妻などの演算的挙動と相互作用することができる.
妖精が人間であろうとすればするほど,外部へと漏れ,魔法が使えるようになる?(わたしのモラル発揮の時のように)
調停官
調停官とは人類と妖精を調停するのではなく,妖精が「命の定義を広げる力」を行使し,演算的挙動と相互作用を起こすことを指しているのではないかと思う
妖精の成長
幼少期(分化前):人類への憧れ,つまり魔法を持つ
成熟後(分化後):妖精人類となる ほとんどは魔法が使えなくなる
妖精さん
妖精が自分らを人類だと思いこむことで,妖精として人類に収まりきらない力が外に放ち続けられる.
↓
様々なものが命の定義に引き上げ続けられる
↓
相互作用を行う際に心の体現である妖精さんが現れて相互作用を実行する.
その他考察
わたしについて
人類としてありたいという思いが強く,魔法が使える,調停官として適任な人材
モノリス,ぴよん,O太郎など様々な機械と意思疎通ができ,妖精を通して魔法が使える
お菓子について
よくわからない
妖精さんはなぜお菓子で増えるんだろ
妖精の力を集める核のようなものなのかな?
感想
このような考えてわかる系ってすげー面白い.
何度も読んでこうだったのかと考えるこのスルメ感がたまんない.
多様性の暴力ってことばが気に入った.
冷たい世界(現代)を生きるためには多様性が必要で,それって様々な考え方,もの,生き方があってそれぞれ面白おかしくしていく事なんだよね.
全然遂行してない書きなぐりの文章でした.
おわりに
「人類は衰退しました」のこの感じが気に入ったひとは他の田中ロミオ作品にも手を出してみるといい.
ギャグはもちろんとして,斬新な発想や深い考察が楽しい作品だ.
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